麻雀で勝つために最も大事といってもいいのが押し引きです。
どの牌までは勝負して、どの牌でヤメてオリに回るのかは麻雀打ちにとって永遠のテーマといえるでしょう。
どんな高い手をテンパイしていても、振り込んでしまえばその局はマイナスで終わってしまいます。
逆に安い手を押しきってアガりに結びつけることで他家の勝負手をつぶし、単なるアガり以上の価値を生む局面もあります。
この「アガり」に直接関係するのが「押し引き」なわけですが、この判断基準というのは人によってまちまちであることが多く、「状況次第」という言葉で片付けられてしまうこともしばしば・・・。
しかし、その押し引きにおける、判断基準の基礎となるのが「スジカウント」なのです!上級者であれば、基本となる技術と言っても過言ではありません。
今回はこの「スジカウント」について解説していきたいと思います。
目次
1.麻雀における「スジ」とは?
「スジ」とは一言で言うと「リャンメン待ちで対になる牌」のことです。
例えば5萬における2萬や8萬のことです。3萬4萬と手牌にある場合、2萬と5萬で面子が完成しますよね。
こういったリャンメン待ちになるときの牌を「スジ」といいます。
5萬と8萬の場合は6萬7萬と手牌にある場合のリャンメン待ちにあたり、こちらもスジな訳です。
ではスジは何通りあるのでしょうか。実際の牌で考えてみます。
1-4 2-5
3-6 4-7
5-8 6-9
このように、それぞれ数字を順番に考えていけば、1-4、2-5、3-6、4-7、5-8、6-9と6通りのリャンメン待ちが考えられます。
これらがそれぞれマンズ、ピンズ、ソーズにあるため、全て合わせれば6×3=18本のスジが麻雀には存在します。
2.オリるときは「スジ」を数えろ!
先ほど18本のスジが麻雀にはあるということを説明しました。このことを利用することで押し引きの基準を作ることができるのです。
リーチや仕掛けをしている人の河を見てください。すると、通っているスジと通っていないスジがあることが分かります。
基本的に麻雀というのは数牌のリャンメン待ちを作って上がることが一番多いゲームです。ですから、相手の手をリャンメン待ちだと想定して考えます。
456牌は2-5と5-8のように2つのスジにまたがっているため、「2」とカウントします。それ以外の数牌は「1」とカウントします。
これにより、その人に18本のうち何本のスジが通っているかを確認することができます。
単純に考えれば、新しく切る牌というのはその通っていないスジのうちの1つですから、 1/(通っていないスジ)という確率で振り込むことになります。
下の局面を例に考えてみましょう。
このとき、リーチ者の河を見てみましょう。
通っている牌は2p、8p、1m、1s、4s、4mです。
先ほどのカウントに従って数えてみると、2p、8p、1m、1sが「1」、4sと4mは「2」となり合計は「8」です。
ただし、1sと4sはスジがカブっているのでそれを1つ引いて「7」です。つまり、18-7=11で残りは11スジとなります。
したがってこの6mの放銃率は1/11スジ≒9%となります。
ただし、この考え方の注意点として、4,5,6といった真ん中の牌は1-4,4-7のように2つのスジに関係しているため、放銃率が2倍になります。
先ほどの例はすでに3-6萬のほうが通っているので、6-9萬しかスジが残っていません。
ですから、放銃率の計算は9%で合っていますが、これが3萬が通っていなかった場合、3-6萬と6-9萬の両方にアタるので、放銃率は2倍の18%となります。
その点は注意してください。
3.押すときとオリるときの基準は?
ではこの確率を利用してどの程度までは押していいのかを基準を考えてみましょう。
天鳳の鳳凰卓などの上位層では平均の放銃率はおおむね12%程度です。
これを先ほどの確率に当てはめて考えてみると、残りのスジが8本のとき1/8=12.5%程度の放銃率となり、その平均の放銃率と大体同じくらいになります。
ですから、残りのスジが8本になるまではリスクを取って押してもよいということになります。
ただし、先ほど述べました通り、両方のスジが通っていない4,5,6牌は放銃率が2倍になりますので、ほぼ確実に12.5%の放銃率を超えることになりますので、注意してください。
ただこれは自分の手が通常の手の場合、つまりさほど高くない、低打点の手の場合の話です。
これが自分の手が「勝負手」の場合は判断基準を変える必要があります。
ここで言う勝負手は最低でも3900点以上の中~高打点の手を指します。
天鳳の上位層の平均のアガり率は21%程度です。
つまり放銃する率よりアガり率の方が高ければ、自分の手が十分よいときはリスクを取って押す価値があります。
こちらの場合は残りスジが5本のとき、1/5=20%の放銃率となるため、残りスジが5本になるまでは押せる、という判断基準になります。
つまり、オリるときは「8スジ」、押すときは「5スジ」という判断基準で押し引きをすればよいわけです。
いかがでしたでしょうか?これはあくまで一つの基準ではありますが、押し引きの強力な手段の1つであることには間違いありません。
スジを数えることを習慣づけて、押し引きに強い麻雀打ちになりましょう!
それでは。