近年はどの世界でもAIがもてはやされています。
家電や車にAIを搭載することで自動化したり、より便利に使えるようにしたりと用途も多岐にわたります。
そんな中、AIの中でも注目されているのが機械学習を利用したものです。
大量のデータを機械に覚え込ませることで、状況に応じた人間に近い判断を下せるようになります。
ゲーム等にも利用され、例えばAbemaTVの将棋中継ではAIによる局面の評価値が表示されていて、将棋が分からない人にもどちらが優勢なのかが分かりやすくなっています。
そして、AIの波は麻雀にも訪れています。
爆打、NAGA、Suphxなど、様々な麻雀AIが台頭してきました。爆打やSuphxは最近書籍も出ていて、AIの打ちスジを人間が勉強する時代になりつつあります。
AIの今とこれからについてまとめてみます。
目次
なぜAIは強いのか?
まず考えてみたいのは、なぜAIは強いのか?ということです。
一昔前の麻雀AIは、ほとんど自分で状況判断して打つことができず、ひどいものだと最初からテンパイが入っていてそれをランダムにアガったりしているようなものまであったとか、なかったとか。
現在のAIは機械学習という手法を用いて、人間にしかできないような判断を可能にしています。
機械学習とは簡単に言ってしまえば、AIに人間の打った膨大な麻雀のデータを学習させることで、局面ごとにこういうことをすると得点が増える、こういうことをすると得点が減るということを学ばせて、局面ごとの判断基準を身につけさせるというものです。
この機械学習によってAIは飛躍的に発展しました。それまでは人間が打ち込んだプログラミングにしたがって動いていただけのものが、人間のデータから機械自身が法則性を学び、どうすれば最適な行動かを身につけ、それの通りに動くことができるようになったわけですから。
これを麻雀に置き換えてしまえば、鳳凰卓のにいるような上級者や、天鳳位の方の打ち方を学んで、それを真似て打つことができるわけです。しかも、人間と違ってAIには疲れや精神状態から来るミスもありません。それは強いわけですよね。
また、もう一つ人間とAIの違いとして、AIには先入観がないということも挙げられると思います。
人間は麻雀を打つとき、それまでの自分の経験などからここではこう打った方がいいというのをなんとなく判断していると思います。
一方でAIは経験則などに左右されず状況だけに殉じた一打が打てます。人間からすると違和感があってできない一打でも、AIはそれが最善の一打であれば確実に打つことができます。そういった固定観念に左右されない点もAIの強さだと考えます。
AIの強さは人間を超えているのか?
現在のAIはほとんど人間より強いといって間違いありません。
人間より多くの半荘を打ち、どの人間よりも多くのデータを取り入れて打ち、しかもミスがないわけですから。
ただ、まだ一部だけ弱点といっていいところもあります。
それは特殊な状況に置ける手の進め方です。例えばもう飛び寸前で自分の親もないという状況であれば、人間なら無理矢理でも役満を狙いにいったりしますよね。ですがAIはそういった状況で普通にアガりに向かったりしてしまいます。
人間はこれまでに遭遇したことのない状況でも、過去の出来事からおおまかに方針を下すことができます。一方でAIは自分が学習してきたことから判断することしかできないので、あまり経験したことのない特殊な状況下では正しい打ち方をすることが難しいのです。
ただこれからも学習を続けていけば、そういった局面における打ち方も学習していくでしょうから、いずれは弱点のないAIが出来上がって、人間は敵わなくなるでしょう。
もっと未来、麻雀AIはどうなるか?
現在でもできるのかもしれませんが 、将棋中継のように麻雀でも瞬間ごとに最適な打牌を表示してくれるようになっていくと予想しています。将棋と違って麻雀は運の要素がつきまとうゲームで、しかも4人でやるゲームなので、そもそも最適な打牌というのは難しいかもしれませんが。
またもっと具体的に、何を打ったら、局収支や半荘収支がどの程度変化するかまで分かると、プロの打牌を評価できるようになったりして面白そうです。
また自分のような麻雀を勉強している人向けには、それらの最適な打牌の機能だけでなく、AIがどういった要素を重視してその判断をしたかということまで分かるようになると、その打牌を真似しやすくなり、勉強として非常に役立つと思います。
現在はまだ技術的に難しい点もあるのかもしれませんが、これからもどんどん発展して観戦にも勉強にも役立つAIが生み出されていってほしいものです。
以上が麻雀AIについての簡単な説明と私見になります。
AIの進歩はまさしく日進月歩です。私が考えているようなことだけでなく、そこからさらに発展したようなAIがいずれは生み出されていくでしょう。
その日を楽しみに今日もMリーグを見て、自分で打って、麻雀を楽しんでいこうと思います。
それでは。