皆さんは「先切り」という麻雀用語をご存じでしょうか?
「先切り」とは読んで字のごとく、牌効率上では必要な牌を先に切ってしまうことを指します。牌効率上必要なのに切ってしまうとはどういうことでしょうか?
先切りは近年、麻雀AIによって見直されつつある戦術です。これを使いこなすことが麻雀上級者になる1歩となる日が日に日に近づいています。
本記事では先切りの仕組みについて簡単に解説していきたいと思います。
しっかり読んで、先切りについて頭に入れましょう!
先切りの具体例
例えばこういったものが先切りの主な例です。
この手牌では4mを残しておけば、4mを引いたときに暗刻として使えますから、牌効率上は白や発を切るのがベストです。ですが4mは他3人に全く通っておらず、後々危険牌になる可能性が高いです。
ですから4mを先に切って45mのリャンメンターツを確定させることで、放銃のリスクを下げて、押し返しをしやすくしよう、というのが先切りの基本的な考え方です。
他にもこういった形から、ドラなどの打点の種を危なくなる前に切ってしまうというのもあります。赤5sを残しておけばマンガンが狙えますが、基本的に6sを引いたときしか使いませんし、対面と上家にかなり危険ですからね。
麻雀の流行戦術
一昔前は先切りするヤツはヌルいという思想だったらしいですね。
先に切ってしまうとはいっても、その牌が将来的にアタり牌になるかどうかは実際のところ分かりません。
分からないものを怖がって切ってしまい、テンパイチャンスを減らすことになってしまうのがかなり損だと考えられていたわけです。
一昔前の麻雀はそもそもテンパイ速度に重きが置かれた麻雀でした。
基本的に打点を追うよりも、テンパイを入れてアガりの手数を増やすのが偉いという麻雀が流行していました。
一方で近年ではアガりにおける打点の価値が見直され、スピードはもちろん重視しますが、スピードを損ないすぎない範囲で打点を追うことが必要だという麻雀が流行しています。
先切りというものは、そんな中で少しずつ見直されつつあり、さらに麻雀AIの台頭により、新たな戦術として見直されつつあります。
麻雀AIの選択
例えば、上記のような手牌が与えられたと考えてください。
どんな場面かに関わらず、ほとんどの人は東を切ると思います。私自身もこの手牌をもらったら間違いなく東を切りますね。
メンツ手としても、チートイツとしてもイーシャンテンになり、攻めの形として十分な手牌になりますから。
しかし、suphxという麻雀AIはここから2pを切ったというのです。
ここから2p切りは人間にはまず思いつかない手筋です。先切りといっても限度があるだろうという感じです。
その選択が正しいかどうかはAIもまだ発展途上ですから、ハッキリとしたことはいえないと思います。
それでもこの手牌から2p切りを選ぶ選択肢がAIに出るくらい、先切りという戦術は何か意味があるものだということには疑いがないと思います。
実際の局面における使う場面
最後に実際の局面で先切りを使う場面を述べておきます。
まず基本的に先切りというのは牌効率上損であることが多い、というのは忘れないでください。
その上で使いどころというのは、中盤のイーシャンテンの場面が基本になります。
中盤、8~10巡目になれば、4人のうち誰かにはテンパイが入りリーチ、とくるのが普通です。
その場面で自分の手が2000~3000点以下くらいの手の場合に危険牌を先切りしておきましょう。
自分の手が高打点の場合は自分のアガりが重要なので放銃は基本無視して攻めた方が良くなります。
マンガン手のイーシャンテンとかであれば、先切りして受け入れを減らすのは損です。
また序盤であれば、まだ振り込みのリスクが小さいですから受け入れを減らすほどのメリットを得られません。目一杯に構える方が得なことが多いです。
そんなわけで、中盤のイーシャンテン、安めの手の時にリスクを減らして押し返すために先切りを使うようにしましょう。これが基本です。
以上が先切りの基本についての解説になります。
麻雀AIの発展によってはもっと多様な場面で先切りすることが流行していくのかもしれません。情報にアンテナをとがらせておいて、また随時更新していくようにしたいと思います。
それでは。