魚谷侑未プロ。セガサミーフェニックス 所属のMリーガーだ。女流プロのなかで最強クラスのプロといってもいいだろう。
本記事ではそんな彼女の麻雀との出会いやプロ人生について解説していく。
基本プロフィール
生年月日:1985年11月2日
出身地:新潟県柏崎市生まれ
血液型:B型
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麻雀との出会い
小学校でバスケ、中学校では卓球、高校では陸上と文武両道だった魚谷。競馬好きな父の影響で競馬番組や漫画を読むようになり、騎手に憧れるようになる。
騎手になるため、中学3年生の時に競馬学校を受験するも不合格。地元の高校に進学した。
しかし、騎手の夢を諦めきれず、高校卒業後に競馬学校の再受験を目指して、山形県にある乗馬倶楽部の研修生となった。
夢を叶えるべく日々練習に取り組んでいたが、どうしても乗馬が上手くいかず、減量にも苦しんでいた。悩んだ末に1年後、騎手の道を断念した。
また地元に戻り、アルバイトをしながら将来を模索する日々。そんな中、雀荘で働いていた友人から連絡があり、その店に行ってみた。
麻雀をやったことのない魚谷だったが、初めて打ったその席で一気に麻雀に引き込まれた。その日のうちに同じ雀荘で働くことを決意。
もっと麻雀を勉強しようと地元の雀荘にも通うように。そこの麻雀教室の講師から、そんなに好きなら、とプロ入りを薦められ日本プロ麻雀連盟のプロ試験を受験。
6カ月間の研修を経て、22歳、2007年に第25期生として入会を果たした。
プロ入り後の活躍
プロ入り後、働いていた雀荘では成績を記録するようになり、3年目には平均着順2.2台という高水準を保てるようになった。
これで自信を得た魚谷は女流桜花のタイトルを目標に据える。そして実際に2011年に同タイトルを獲得してみせた。
しかし、タイトルを獲得したことで目標を見失ってしまった。なかなか麻雀に集中できない日々が続いたが、また新たに気持ちをリセットし、連盟のリーグ戦で勝ち上がることを新たな目標とした。
さらに自身の対局をノートやブログに書き出して反省したり、うっかりミスを無くすために瞑想するなど、メンタル面においても向上。
そして2012年には女流桜花を連覇。同じ年に女流モンド杯で初出場で初優勝も達成。その勢いのまま、モンド王座も獲得した。
その後も2014年に第12回女流モンド杯と第11回モンド王座、翌年にも第12回モンド王座を獲得。
さらには2018年、女流プロ麻雀日本シリーズ、第44期王位、第16回日本オープンと男性プロも出場するタイトルを連続して獲得。
しかも日本オープンでは女流プロとして初優勝、王位でも2人目の女流プロの戴冠と女流プロとして超一流の実績を残すと共に、男性プロに混じっても全く遜色のない実力を持っていることを示した。
そしてこの実績が認められ、2018年に行われたMリーグドラフト会議にて、セガサミーフェニックスから1位指名を受け、Mリーグ入り。
その後も2021年に通算3期目の女流桜花を獲得。30代40代のみの新設タイトルである第一回鸞和戦も優勝するなど、勢いを落とすことなく勝ち続けている。
結婚
2021年1月16日、同じ団体のプロ雀士である宮澤太佑と結婚した。宮澤太佑は日本プロ麻雀連盟の35期生。1994年12月26日生まれで魚谷とは9歳の年齢差がある。
2人が出会ったのは2020年の春頃。プロ雀士仲間でやっていたオンラインゲームに参加したことを切っ掛けに知り合う。
2020年の秋頃に一度宮沢が告白し振られるものの、1ヶ月後に再度告白し交際がスタート。そこから2~3ヶ月ほどで結婚というスピード婚であった。
私事で大変恐縮ですが、本日2021年1月16日に同団体の宮澤太佑さんと入籍致しました。
— 魚谷侑未 (@yuumi1102) January 16, 2021
未熟で至らない点も多々ありますが、夫婦で支え合って生涯を共に出来たらと思っております。
また、麻雀プロとして更に成長出来るよう、これからも精進して参りますので変わらず応援して頂けたら幸いです。魚谷侑未
本日令和3年1月16日に同団体の魚谷侑未さんと入籍いたしました。
— 宮澤太佑 (@dise_keM) January 16, 2021
共に支え合い、麻雀プロ、人間としても更に成長していけるよう努力して参ります。
これからもご指導、ご鞭撻宜しくお願いします。
YouTube
セガサミーフェニックスの魚谷侑未・東城りおの2人が合同で運営しているチャンネル。動画投稿のペースとしてはおよそ週に1回程度。
内容は基本的に魚谷プロ、東城プロのお二人がなにがしかで遊んだりしている動画が多い。東城がMリーガーになってからはMリーグ関連の動画も上がっている。
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Mリーグでの活躍
Mリーグ2018、魚谷は個人スコア21人中の18位と大苦戦。チームも6位に沈み、ファイナル進出はならなかった。
しかし、2019シーズンでは前年の鬱憤を晴らすような大活躍。個人スコア1位のタイトルに輝き、チームを牽引する。
チームはファイナルまで進み、最終戦まで優勝が残っていたがギリギリのところでU-NEXTパイレーツに差しきられ2位に終わった。
翌2020シーズンは再び30人中の23位と負け越し。チームは4人の内、茅森しか勝ち越せず最下位に終わった。
2021シーズンは32人中21位と昨年よりは成績を上げたがマイナスポイントに終わる。
しかし、チームは茅森が全体5位のポイントをたたき出す活躍でなんとかセミファイナルへ進出。
セミファイナルでは近藤の活躍でチームは4位に滑り込みファイナルまで駒を進めた。
迎えたファイナル、魚谷はチームの稼ぎ頭となるがサクラナイツに優勝をさらわれ、またも2位。
来季こそはチームの優勝目指して頑張っていただきたい。
個人成績
2018シーズン
レギュラーシーズン:-249.1
チーム成績
レギュラーシーズン:6位敗退
2019シーズン
レギュラーシーズン:+451.4
セミファイナル:+0.5
ファイナル:+126.0
チーム成績
レギュラーシーズン:1位
セミファイナル:2位
ファイナル:2位
2020シーズン
レギュラーシーズン:-179.3
チーム成績
レギュラーシーズン:8位敗退
2021シーズン
レギュラーシーズン:-128.7
セミファイナル:+18.1
ファイナル:+32.3
チーム成績
レギュラーシーズン:5位
セミファイナル:4位
ファイナル:2位
チームメイト
近藤誠一
独特な手順で高打点のアガりを作る、非常に華のある麻雀を打つ。
東城りお
麻雀プロとしてだけでなく、グラビアアイドルとしても活躍を見せる美麗プロ。
茅森早香
あまり練習をせずに結果を残すことから、「天才すぎるオンナ雀士」と呼ばれている。
魚谷の雀風
魚谷プロの雀風は鳴き麻雀だ。二つ名の「最速マーメイド」の名の通り、仕掛けてアガりの回数を増やすことで勝利につなげるタイプだ。
仕掛けた後の押し引きがしっかりしており、小林剛プロなどに近い打ち方だろうか。
ただ近年はややスタイルチェンジし、鳴きすぎずにバランスを取っているらしい。
タイトルを複数獲っているのはもちろんだが、その中でも目を引くのは「日本オープン」や「王位」など、男女プロ混合の大会でのタイトル奪取である。
さきほど「女流プロのなかで~」などと書いたが、男性プロを含めた麻雀プロのなかでも上位の実力者である。
麻雀界というのはまだまだ男性優位の社会であるといっていい。
様々な理由から「女流プロが弱い」などといった主張をされる方も多いが、私は別段そういうことでもないと思う。
そもそも麻雀界における女流プロの裾野自体が狭いことがその原因だと考える。
読者であるあなたの身の回りを見回していただきたいが、麻雀をたしなんでいる女性はいかほどいるであろう?さらにそれに対して男性はいかほどか?
私自身の周りにも麻雀を楽しむ仲間は多いが女性で楽しむ仲間は、まあいない。
将棋界など他のマインドスポーツでも同じようなことであろうが、女性の絶対数自体が少ない。
まして麻雀は近年払拭されつつはあるものの、まだまだ賭博のイメージは根強い。
将棋などより女性が身を投じるのは難しい世界であろう。
競技の裾野が狭ければ、発展しにくいのは世の常である。
その中で魚谷プロは男性プロを押さえつけてタイトルを獲得している。
このことが魚谷プロの実力の証明他ならない。素晴らしい努力と才能の結実である。
老若男女が楽しめるマインドスポーツである麻雀において、女流プロは勝てるということを存分に魅せつけてほしい。
「最速マーメイド」の名にかけて。
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Mリーグを戦っている32名のMリーガーについて、解説記事を書いている。興味のある方は是非こちらもご覧いただきたい。
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