朝倉康心。
2018年から2021年までU-NEXT Pirates所属のMリーガーであった。
2017年にプロ入りし、2018年にはMリーガーとして選ばれた。麻雀プロ歴が浅いにもかかわらず、いかにしてMリーガーに選ばれたのか?
朝倉の麻雀人生を詳しく見ていこう。
基本プロフィール
生年月日:1986年3月4日
出身地:福井県小浜市
血液型:A型
趣味:ゲーム、自炊
学歴:東京農工大学農学部卒業
麻雀との出会い
朝倉が麻雀と出会ったのは中学生の頃。「哲也 雀聖と呼ばれた男」を読んで麻雀の存在を知った。
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「哲也 雀聖と呼ばれた男」といえば有名な麻雀漫画だが、イカサマが横行する麻雀なので、麻雀自体の勉強にはあまり適していない。
実際の麻雀のルールなどに関しては、兄と一緒に父から教わったという。
朝倉は東京農工大学進学後、仲間内で麻雀をやるようになり、麻雀店でアルバイトも始めた。
天鳳位獲得までの道のり
麻雀に順調にのめり込む中、麻雀の練習方法としてネット麻雀「天鳳」を打つことにした。
ASAPINという本名を文字ったハンドルネームで、多い月は東南戦500回、東風戦1000回程を打ち込んだ。
天鳳では、レーティング制と段級位制が採用され、プレイヤーのレベルによって一般卓、上級卓、特上卓、鳳凰卓という4つの卓のいずれかでプレーすることになる。
天鳳の鳳凰卓といえば今でも非常に高レベルな上級者の登竜門。朝倉は東風戦1000回程で鳳凰卓に到達した。
しかし鳳凰卓でプレイできるようになったことで逆に目標を見失ってしまい、約1年間天鳳から離れた。
そんなある日、天鳳で十段になったプレイヤーが現れた。それまでは九段までの人間しか存在せず、天鳳位など夢のまた夢だといわれていた。
朝倉が離れる以前までの鳳凰卓では東風戦が主流だったが、半荘戦の卓が立つようになり東風戦より理不尽な負けが減り、十段が現れたと考えられる。
このことが朝倉の心に再び火をつけた。ひたすら東南戦を打ち込み、天鳳を再開してから1年後、24歳の時に十段よりさらに上の天鳳位を獲得したのだった。
天鳳位の難しさ
天鳳は日本で最も登録者数の多いネット麻雀のゲームだ。その登録者数は累計600万を超える。天鳳位とはその天鳳で得られる最も上位の称号である。
この天鳳位、取得するのは尋常ではなく難しい。登録者600万を超えるにも関わらず、4人打ちにおける天鳳位はのべ19人しかいない。
天鳳というゲームは負けるとポイントが減るといったが、上の段位に行くほど1回負けたときに減らされるポイントが大きくなる。
段位が上がるほど、次の段位にアガるのが難しくなるわけだ。
麻雀というのはどれだけ上手くなったとしても、簡単に理不尽な負けが訪れるゲームだ。そんなゲームで天鳳位を獲得するにはよほどの根気がなければ不可能だ。
私自身、天鳳を打ち込んでいる身としてまさに脱帽としか言い様がない。
天鳳位獲得後
初代天鳳位になったことで、アマチュアながら麻雀プロ同様にゲストなどにも呼ばれるようになった。ハンドルネームのASAPIN名義で麻雀戦術本も出版した。
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私自身もこちらの「超精緻麻雀」は読ませていただいている。
より詳細な内容が気になる方はこちらの記事をぜひご参考いただきたい。
そして対局映像番組からもオファーが入るようになり、2016年に行われた対局番組「天鳳位vs連盟プロ1st Season」に出場し優勝。
また、同年10月1日、トトリ先生19歳のハンドルネームで11代目天鳳位となり、4人打ちでは史上初めてとなる2回目の天鳳位獲得を果たしている。
2017年には「第一回 麻雀駅伝」にアマチュア連合のメンバーとして選出され、三人麻雀部門で区間賞を獲得する活躍で、チーム優勝に貢献した。
アマチュアとして自由に活動する立場も魅力的だが、朝倉はプロになりたいという気持ちをずっと持っていた。
31歳の時にプロ入りを決断。2017年に最高位戦日本プロ麻雀協会へ入会した。2度の天鳳位などの実績を認められ、特例でB1リーグからの参加となった。
そしてプロ入りから1年後、2018年にはU-NEXT Piratesからドラフト2位指名を受けた。
パイレーツは朝倉以外に小林剛、石橋伸洋を指名。いずれも天鳳名人戦の出場者であり、デジタル派としてよく知られる雀士である。
ネット麻雀出身のデジタルが、うまくパイレーツの選手指名ポイントにハマっての指名だったといえるだろう。
プロ入り後の活躍
2018年6月30日、麻雀最強戦2018の「男子プレミアトーナメント 天鳳ニューパワー」で優勝。最強戦の決勝に進む活躍を見せた。
同年8月5日、麻雀駅伝2018に最高位戦チームとして出場。前回、アマチュア連合の一員として優勝を果たした朝倉だったが、今度は最高位戦チームとして優勝。
Mリーグに指名されたのが2018年の8月7日であったから、その直前に大きな実績を残している。Mリーグに指名された一因とも考えられるだろう。
2018年11月21日には最高位戦B1リーグで優勝し、Aリーグへ昇級。
2019年5月10日、多井隆晴、小林剛、石橋伸洋らを退け、第八期天鳳名人戦で優勝。プロ入り後も順調な実績を重ねているといえる。
また、2021年9月19日に天鳳と人気を二分するネット麻雀ゲームの「雀魂」で最高の称号である「魂天」を獲得。ネット麻雀でも活躍を見せている。
結婚
2019年6月9日、自身のTwitterで一般女性との入籍を発表。2019年8月8日に結婚式が執り行われた。
無事に結婚式披露宴、二次会を終えました!!
皆様の暖かい祝福に囲まれ、本当に幸せな時間を過ごすことができました。ありがとうございました!
他の写真は落ち着いてからまたアップさせていただくかもしれません。
今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします! pic.twitter.com/zyRIWXKA9g
— 朝倉康心/ASAPIN🐴 (@asakurapinpin) August 8, 2019
結婚のお相手は元日本プロ麻雀協会所属でアイドルグループmore元研修生のあゆさん。
Mリーグでの活躍
MリーグのオープニングシーズンとなるMリーグ2018ではレギュラーシーズン21人中4位と好調な成績を残した。
しかしMリーグ2019では29人中21位、Mリーグ2020では30人中29位と思うような成績が残せていない。また誤チーや誤ツモなどのミスもあった。
2019シーズンに所属するU-NEXTパイレーツは優勝を成し遂げているが、朝倉はレギュラーシーズンだけでなく、セミファイナルでも負け越し。
2019ファイナルで大三元をアガり優勝に貢献したが、Mリーグでは今ひとつ安定感に欠けてしまっているという印象だ。
2020シーズンでも大きなマイナスポイントを記録。2021シーズンはプラスポイントを記録したものの、2022シーズンを迎えるにあたり契約を満了し、U-NEXTパイレーツを退団した。
個人成績
2018シーズン
レギュラーシーズン:+178.8
チーム成績
レギュラーシーズン:5位敗退
2019シーズン
レギュラーシーズン:-143.4
セミファイナル:-66.3
ファイナル:+85.4
チーム成績
レギュラーシーズン:6位
セミファイナル:4位
ファイナル:優勝
2020シーズン
レギュラーシーズン:-294.0
チーム成績
レギュラーシーズン:7位敗退
2021シーズン
レギュラーシーズン:+68.8
セミファイナル:-90.0
チーム成績
レギュラーシーズン:1位
セミファイナル:6位敗退
過去のチームメイト
小林剛
サイボーグと言われるほど、何事にも動じない冷静沈着な男。Mリーグの中では副露率トップクラスの鳴き主体の麻雀で戦っている。
石橋伸洋
「黒いデジタル」と呼ばれる、セオリーを外した打牌で相手の読みを外す麻雀を打つ。
東風荘というネット麻雀出身のプロ。
瑞原明奈
天鳳で、女流では最高となる9段まで上り詰めた実績を持つ。2児の母として、家庭も支える。
朝倉の雀風
朝倉プロの打ち方はやや独特だ。
データを重視しつつ、目の前の状況を経験や感覚でさばく、という打ち方。
デジタルな打ち方ではあるのだろうが、完全なデジタルというわけでもない。
表現するとすれば「デジタル的」といった感じであろうか。
ただ理論を勉強するだけでなく、全て直感でさばくでもない。理論で直感を磨き、目の前の選択に活かす。
そのバランスの取り方が朝倉プロの強さなのだと感じる。
ただ、Twitterなどの言動を見ていると、この人はメンタルがあまり強くないのだな、と感じることもある。
特にパイレーツには同僚に強メンタルの小林剛プロが居ることもあり、その対比でその印象が強くなる。
Mリーグの成績も、1年目は非常に良かったが2年目、3年目と徐々に成績を落としており、昨年Mリーグ2020では30人中29位の成績と安定感に欠く。
ただ、今期Mリーグ2021は安定した成績で来ている。本人の麻雀の実力には疑うところはない。ネット最強雀士、朝倉康心。今期は優勝を目指す航海で乗り切ってくれることを祈る。
YouTube活動
朝倉は2021年7月8日より個人のチャンネルを開設。
そのYouTubeチャンネルがこちら。
Mリーグで自身の打った半荘の牌譜検討や、雀魂の段位戦や大会戦の配信などを行っている。朝倉の麻雀を学びたいという方は要チェックだ。
他のMリーガーに関する記事はこちらから!
Mリーグ2021を戦っている32名のMリーガーについて、解説記事を書いている。興味のある方は是非こちらもご覧いただきたい。
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