沢崎誠。2019から2021までKADOKAWAサクラナイツに所属していた麻雀プロだ。
見た目からもお分かりになると思うが、かなりお年を召されている。御年66歳!麻雀プロの中でもかなり年齢は上の方だ。
麻雀も脳を相当使うゲームであるから、やはりベテランになると力は衰えてくるもの。だが、沢崎は老いてなお実力を発揮している。
そんな沢崎はどんな麻雀人生を歩んできたか。本記事でそれをまとめていこう。
基本プロフィール
生年月日:1955年1月13日
出身地:群馬県安中市
血液型:B型
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麻雀との出会い
群馬県の農家の家に次男として生まれた沢崎。小学校時代は蓄膿症に悩まされ、早退や欠席ばかりだったという。
家業を継ぐだろうと思っていた沢崎だったが、中学生の時に農地が公共施設の建設ということで買収。
農家になることはなく、高校卒業後に上京し、東京理科大学夜間部に入学した。当時は麻雀ブーム真っ盛り。
昼間は配送業で働き、夜には大学に通う。その生活の中、沢崎も麻雀を打つようになっていった。
結局、大学を中退。その後、結婚もして麻雀ではない職に就いた。
しかし、26歳の時に離婚。ショックで仕事も手につかないほどだったという。
そんな最中に友人から紹介してもらった仕事が雀荘のボーイだった。
再び麻雀と出会った沢崎。灘麻太郎や小島武夫らも来ていた麻雀店で働き、1984年、29歳の時にはプロ入りを果たした。
プロ入り後の活躍
プロ入り後、その店で定期的に行われていたプロアマ大会に出場するようになると、11回連続で決勝に進出。プロの中でも目立つ存在になっていく。
沢崎の麻雀の転換期となったのは「麻雀名人戦」の観戦。
決勝戦で見た作家の伊集院静の対局を見て、アマチュアだがその格好のいい打ちスジに感銘を受けた。
この対局以後、沢崎はプロとは何か、ということを深く考えるようになる。
「ただ打つだけではなく、魅せることで感動を生み出せるのがプロだ。」と考え、自身の下手さを自覚し、ひたすらに麻雀に打ち込むようになる。
1986年に第2期新人王を獲得。その後、1996年には41歳で初のビッグタイトルとなる第13期十段位を獲得した。
その後も2007年には第16期麻雀マスターズを獲得。還暦にほど近い2013年に最強位を獲得。
近年も2017年、2019年に麻雀日本シリーズを制覇、2018年に2度目の麻雀マスターズ制覇などトップクラスの実績を上げている。
その実績を認められる形で、2019年にMリーグに参入。もちろんMリーグでは最年長プロだ。
師匠として
沢崎は鳳凰位を獲得した藤崎智や、王位やプロクイーンを獲得した清水香織らを育てた名伯楽としても知られる。
麻雀を教えるというよりは、相手の内面にある麻雀を上手く引き出すことに長けているようだ。
Mリーグでの活躍
1年目となったMリーグ2019では29人中5位の好成績を残したが、昨年度は30人中27位に沈んだ。
昨年度はチームメイトの内川プロの調子がよく、沢崎プロの復調をカバーし、チームは2位という成績を残した。
Mリーグ2021シーズン、2020シーズンの鬱憤を晴らすようにレギュラーシーズン32人中2位という好成績。
チームはファイナルまで進出するも、沢崎本人は病欠となった。
だがチームメンバーは沢崎の離脱に奮起。沢崎の代役で出場した堀慎吾の活躍でサクラナイツは見事優勝を果たした。
しかし健康上の理由により、2021シーズンまでで契約を満了。KADOAWAサクラナイツを退団することとなった。
個人成績
2019シーズン
レギュラーシーズン:+234.3
セミファイナル:+157.4
ファイナル:-140.2
チーム成績
レギュラーシーズン:4位
セミファイナル:1位
ファイナル:4位
2020シーズン
レギュラーシーズン:-280.6
セミファイナル:-87.5
ファイナル:-33.8
チーム成績
レギュラーシーズン:2位
セミファイナル:2位
ファイナル:2位
2021シーズン
レギュラーシーズン:+399.7
セミファイナル:-142.5
ファイナル:0.0(病欠にて出場なし)
チーム成績
レギュラーシーズン:6位
セミファイナル:1位
ファイナル:優勝
過去のチームメイト
内川幸太郎
高校時代に浪人し、そこで麻雀にハマる。21歳のとき、大学に進学することを止め、通っていた麻雀店のオーナーから引退に際して店を譲って貰い、麻雀経営を始める。
この経営に際して、売りになるということでプロ入りした。プロ入り後、目立った活躍はできなかったが10年目のA2リーグ昇級が転機となり、ここから活躍を見せる。
2018年に第35期十段位を獲得し注目を集め、KADOKAWAサクラナイツに指名されることとなった。
雀風はバランス型かつ対応型。自分の強みを相手に押しつけるというよりは、状況を見ながら器用に押し引きしていくタイプ。
堀慎吾
元は雀荘のメンバーとして働いていたが、その実力の高さから「恐ろしく強いメンバーがいる」と噂を呼んでおり、その評判からプロ入りすることになる。
自分の麻雀に相当の自信を持っており、かなりのビッグマウス。ただそれを豪語するに値するだけの実力を持っていることは間違いない。
雀風としては何でもするタイプで、メンゼンも鳴きも使いこなす。かなり読みの能力が高く、それを信じてかなり踏み込んでいくのが特徴的。
岡田紗佳
17歳になる2011年にファッション雑誌「non-no」のモデルーディションに挑み、グランプリを受賞。
雑誌「non-no」の関係者の間で麻雀が流行るようになったことをきっかけに麻雀の勉強を始め、2017年にプロ入り。そこからモデルと麻雀プロを並行して活動している。
まだ若手だがかなり研究熱心であり、解説に一定の評価がある。これからが期待のプロといえる。
沢崎の雀風
沢崎の打ちスジは非常に独特だ。Mリーグで観戦していても感じるが、常人の発想にはない1打が飛び出してくる。
独特な打ち方と粘り強さからついたあだ名は「マムシ」だ。(本人はヘビが嫌いなようだが)
その打ち方の源泉はどこにあるのだろうか?
私見ではあるが、それは沢崎プロ独自の練習法から生まれたものなのだろうと推察する。
沢崎プロは麻雀の練習として、自分の打ち方に縛りをつけて麻雀を打っている。
例えばマンガン以上でしかアガってはいけないとか、テンパイしたら全てリーチするとか...。
こういった特殊な条件をつけた麻雀を打つことで、自分の引き出しにある技術を一つずつ磨いていくのが沢崎プロ。
まるで漫画みたいな練習方法だと感じるが、独特な感性は縛りをつけた麻雀の中で身についたものなのだろう。
この麻雀に読みを外されたプロが何人沈んでいったことか...。
そんな怖い麻雀を打っているが、いつもニコニコしていてまさしく好々爺の風貌である。ただベテランだけあって豪胆な一面も見せる。
Mリーグの実況をしていた際実、他から話を振られて、どうせなら配牌は全部字牌がいいですね、と返していたのが印象に残っている。
この泰然自若としたメンタルも強さの秘訣なのだろう。
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