瀬戸熊直樹。TEAM雷電所属のMリーガーだ。日本プロ麻雀連盟所属のプロで、連盟の中でもトッププロだ。
これまでに連盟のトップタイトルである鳳凰位を3期獲得、さらに十段位を3連覇。
また、最高位戦日本プロ麻雀協会のタイトルである發王位も1期獲得するなど、超一流の実績を残している。
そして2021年12月12日。ここに2021最強戦優勝の実績が加わった。最強戦を見ていなかった方はぜひ一度ご覧になっていただきたい。オーラス最強位を決める瀬戸熊の倍マンツモ条件を満たしてきたアガりは本当に奇跡だった。
そんな瀬戸熊の経歴を紐解いていこう。
基本プロフィール
生年月日:1970年8月27日
出身地:千葉県八千代市
血液型:O型
趣味:クラップダンス
学歴:東京経済大学卒業
麻雀との出会い
父が自衛官だった瀬戸熊は小中と転校の多い子どもだった。
高校は熊本で進学。県立熊本高等学校という県内でも有数の進学校だったらしい。
その高校ではカード麻雀が大流行していた。ここが瀬戸熊と麻雀の出会いだった。
進学校だったことも手伝ってか、周りは頭脳ゲーム好きが多かったようだ。
カード麻雀では飽き足らず、同級生と県内の雀荘に片っ端から電話し、高校生でも受け入れてくれる店を探した。
その店で同級生と麻雀にいそしみ、勉強はろくにしていなかった。結果大学進学までに3浪することになる。
進学したのは東京経済大学。だが大学に進学してからも麻雀店に入り浸っていた。
当時は麻雀プロという存在を知らなかった。自分は何のために麻雀をしているのか、と考えたが、麻雀の世界で生きていこうという思いはこのときからあった。
大学4年になった時、就職指導室の教師から呼び出しがあった。麻雀の世界でいきたいという思いを教師に伝えると、とりあえずこの会社の試験を受けろと言われ、そこを受けた。
大学時代にしていたことを聞かれ、麻雀ばかりしていたと答えたことが逆に気に入られ内定を貰う。奇特な人もいたものだ。
サラリーマンとしての生活が始まった。入社当初は終業時間までが苦痛でたまらなかったが、社内の人たちとも卓を囲むようになってからは仕事も楽しくなってきた。
そんなときに、日本プロ麻雀連盟が主催するマスターズに出場し、アマチュアながらベスト8まで勝ち上がった。
この時、初めて麻雀プロという存在を知り、大会のシード権が貰えるなら、プロになるのが大会を勝ち抜く近道だ、とプロテストを受験し、1998年、27歳の時に日本プロ麻雀連盟14期生としてプロ入りした。
プロデビュー後の活躍
平日は仕事、週末はリーグ戦という日々を送る中でストレートで昇級を重ね、プロ入りから2年目にはA2リーグまで駆け上がった。
仕事の方も順調で社会人3年目になる頃には役職に就かないかという話を貰った。
そこで瀬戸熊はこれまで通り仕事とプロ活動を並行していくのか、それとも麻雀プロ1本に絞るのかという岐路に立った。
そして麻雀プロ1本で生きていく覚悟を決めた。その日から瀬戸熊の目標は日本プロ麻雀連盟の頂点である鳳凰位を戴冠することになった。
2005年、34歳の時に初めて鳳凰位決定戦の決勝に残った。最終日の最終戦までトータルトップの座に位置していた瀬戸熊だが、土田浩翔に大逆転を喫した。
その日以降、鳳凰位決定戦が行われる時間に合わせて起床する等、自身の生活のすべてを鳳凰位を取るためだけに照準を合わせた。
それから4年後となる2009年、再び決勝に残り、日本プロ麻雀連盟の頂点である鳳凰位を獲得した。
その後もトッププロとして活躍を続け、A1リーグに昇級した2005年から2020年まで一度も降級することなく、鳳凰位を三度獲得した。
Mリーグでの活躍
そんな瀬戸熊だがMリーグに入ってからは思うような成績は残せていない。
本人自身の成績は1年目こそ個人スコア21人中20位と最低の結果に終わったが、2年目以降は29人中の12位、30人中の11位とまずまずの結果。
だが2021シーズンでは不運もあり32人中最下位の成績を記録してしまう。
チームとしても全く成績を残せていない。2018、2021はレギュラーシーズン最下位。2019、2020は2年連続のセミファイナル敗退と優勝争いに絡めている状況とは言い難い。
チームの成績のことを個人にとやかく言っても仕方ないという意見もあるだろうが、雷電というチームは瀬戸熊が柱となって引っ張っていかなければいけないチームだと私は考えている。
もっと圧倒的な成績を残し、チームを初のファイナルへ連れて行くことを期待している。
個人成績
2018シーズン
レギュラーシーズン:-283.4
チーム成績
レギュラーシーズン:7位敗退
2019シーズン
レギュラーシーズン:+20.9
セミファイナル:-91.3
チーム成績
レギュラーシーズン:5位
セミファイナル:6位敗退
2020シーズン
レギュラーシーズン:+57.0
セミファイナル:-94.2
チーム成績
レギュラーシーズン:6位
セミファイナル:6位敗退
2021シーズン
レギュラーシーズン:-405.5
チーム成績
レギュラーシーズン:8位敗退
チームメイト
黒沢咲
副露を極端に減らし、高打点のアガりを生み出す「セレブ打法」の使い手。最強プロの多井隆晴の天敵。
本田朋広
EX風林火山オーディションに参加しており、それは勝ち抜けなかったが、そこでの活躍などを評価され雷電に指名された。
日本プロ麻雀連盟の北陸支部に所属し活躍していたことから「地方の星」と呼ばれている。
萩原聖人
Mリーガーと俳優の二足のわらじで活躍する麻雀プロ。Mリーガーになるためにプロ入りした経歴を持つ。
瀬戸熊の雀風(+奥さん)
今日日オカルトとデジタルという言葉もあまり聞かないくらいだが、瀬戸熊はバリバリのオカルト雀士だ。
もう今となっては珍しいくらい、清々しいくらいの流れ論者である。瀬戸熊は日本プロ麻雀連盟でコラムも掲載しているのだが、何とそのテーマは「好配牌をいかにして入れるか」という内容である。
普通に考えれば無茶苦茶な話だが、ここまで結果を残している人が大まじめに語るとなんだか信じたくなってくるから不思議だ。
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オカルトはさておき瀬戸熊の打ちスジはかなりのメンゼン派だ。そして非常に押しが強い。Mリーグでも割と見かけるのが「役なしの手をダマで押す」こと。
かなりギリギリまで踏み込むのが瀬戸熊のスタイルだ。このあたりが「卓上の暴君」と呼ばれる由縁だろう。
またクマクマタイムと呼ばれる親番での圧倒的な連荘も魅力の選手だ。
ただ「卓上の暴君」といわれる瀬戸熊も奥さんには頭が上がらないようだ。
嘘か誠か瀬戸熊の奥さんは麻雀が相当強いらしく、その腕は瀬戸熊を凌ぐほどらしい。
ただ瀬戸熊が妻に感謝していることは間違いなく、妻の支えもあってのプロ生活だといえるだろう。
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Mリーグを戦っている32名のMリーガーについて、解説記事を書いている。Mリーグに興味のある方は是非こちらもご覧いただきたい。
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