以前、麻雀プロを画一的な強さの指標で比較してみようということで、Mリーガーの獲得タイトル数のランキングを作成しました。
この記事がそれなりの好評価をいただいていますので、Mリーガー以外の麻雀プロについても記事を作成しようと考えました。
その第一弾として日本プロ麻雀連盟のランキングを作成しました。
今回はその第2弾。最高位戦日本プロ麻雀協会のタイトル獲得数のランキングを作成していきます。最高位戦プロ最強は一体誰なのか、こうご期待。
最高位戦日本プロ麻雀協会とは
最高位戦日本プロ麻雀協会(以下、最高位戦と呼称)は日本で最も古いプロ麻雀団体となります。
もともと最高位戦というリーグ戦が麻雀誌をスポンサーに行われていたのですが、そのスポンサーが降りることとなり、選手達が自主的に運営をし始めたのが団体の起こりです。
他の麻雀団体はこの最高位戦から分裂する形で立ち上げられており、麻雀団体の始祖ともいえます。
獲得数に含めるタイトルの一覧
最高位戦が主催している主なタイトルとして、以下の6タイトルの獲得数を算出していきます。
最高位戦・最高位戦Classic・發王戦・新輝戦・女流最高位戦・女流名人戦
このタイトル獲得者の中には途中から団体を移った方などもいますが、それらも区別することなくカウントしてランキングにしています。
タイトル数のデータは2022年6月2日時点でのデータを使用しています。
タイトル獲得数ランキング
獲得回数1回
獲得回数が1回の方は全65名いらっしゃいました。ここは人数が多いので名前だけ一覧で掲載しておきます。
▼一覧はここをクリック▼
灘麻太郎
川田隆
狩野洋一
大隈秀夫
青野滋
佐藤孝平
西田秀幾
徳久英人
井出洋介
五十嵐毅
岩川聖基
尾崎公太
新井啓文
醍醐大
鈴木優
立川宏
下出和洋
宇野公介
松ヶ瀬隆弥
木原浩一
石井一馬
飯沼雅由
堀慎吾
長谷川来輝
森本俊介
平島晶太
田中英知
新津潔
伊東一
佐々木慶太
吉田幸雄
藤中慎一郎
瀬戸熊直樹
竹内孝之
松本吉弘
白鳥翔
仲林圭
今西祐司
山田独歩
中郡慧樹
渡辺洋香
石井あや
茅森早香
花本まな
伊藤奏子
内間祐海
杉本勝子
天路圭子
梅崎左池子
加藤木英子
川原玲子
竹内成子
小谷ナナ
土井裕美子
近藤加那子
奥村知美
横井里美
北島朋子
眞崎雪菜
真希夏生
相楽美佳
中月裕子
木崎ゆう
松山由希
小宮悠
獲得回数2回
田村光昭
獲得タイトル:最高位2期
田村光昭プロは最高位戦の第2期と第5期を獲得。麻雀プロの中でも最初期の頃の人物であり、あまり資料が転がっていませんでした。
ただ、その時代の手役を作る麻雀とは違い、現代の麻雀に近い安手でもしっかりアガる麻雀を打っていたそうです。そのせいで周りのプロとはあまり反りが合わないことも。
小島武夫
獲得タイトル:最高位2期
「ミスター麻雀」といわれた小島武夫プロ。日本プロ麻雀連盟の初代会長であり、そこに所属して活動していた期間が長いですが、最初は最高位戦に所属していました。
その時代に最高位戦の3期と4期を連覇。これが最高位初めての連覇となりました。
張敏賢
獲得タイトル:最高位2期
張敏賢プロは2006年に最高位を初獲得。次年度も連覇を果たしており、さらに翌年の2008年には最強位も制しています。
その年から2015年まで最高位戦の事務局長を務めましたが2013年にはプロを引退。
その後はRTDリーグの運営や、2018年からはMリーグの公式審判員を務めるなど、麻雀界を裏から支える形で活躍しています。
石橋伸洋
獲得タイトル:最高位1期、發王1期
Mリーグ・U-NEXTパイレーツにも所属していた「黒いデジタル」の名で知られる石橋プロ。2011年に最高位と發王を同時に獲得するも、その後はタイトルに恵まれず。
2018年にMリーグに指名され、Mリーグ2020ではチームの優勝に貢献。今期でMリーグの契約が満了となったため、今後の活躍に注目です。
坂本大志
獲得タイトル:最高位戦Classic1期、最高位1期
坂本プロは2006年に最高位戦に入会。2009年に最高位戦Classicを獲得。
その後も様々なタイトルで決勝戦に進出しますが、中々2度目のタイトル獲得には至りませんでした。
ですが2019年に自団体の最高タイトルである最高位を獲得。これからの活躍にも期待です。
原浩明
獲得タイトル:發王位2期
原浩明プロは元々日本プロ麻雀連盟に所属、1997年からは麻将連合の認定プロとして活躍する麻雀プロです。
最高位戦の中で唯一のオープン戦である發王位を2期獲得。麻将連合では将王を3期獲得するなどトッププロとして活躍しています。
伊藤優孝
獲得タイトル:發王位2期
伊藤優孝プロは日本プロ麻雀連盟1期生の大ベテラン。現在は日本プロ麻雀連盟副会長を務め、「死神」の異名を持ちます。
6期、7期と發王位を連覇。連盟でも鳳凰位や十段位を獲得しています。
土井泰昭
獲得タイトル:發王位2期
土井泰昭プロは日本プロ麻雀協会を立ち上げた人物です。元々は最高位戦に所属しており、2001年に分裂する形となります。
最高位戦では發王位を2期獲得。現在では麻雀漫画や戦術本の原作者やフリーのプロ雀士として活動しています。
菊池俊幸
獲得タイトル:發王位2期
菊池俊幸プロは101競技連盟*1に所属する麻雀プロです。發王位を2002年、2003年と連続2期獲得。2006年発売の「麻雀王」というゲームにも出演しています。
石野豊
獲得タイトル:發王位2期
石野豊プロは日本プロ麻雀協会に所属していた元麻雀プロです。現在は歌舞伎町の麻雀PONの店長を務めています。
麻雀プロだったときに1度、そしてプロを辞めてからもう1度發王位に輝くという離れ業をやってのけました。
佐藤聖誠
獲得タイトル:發王位2期
佐藤聖誠プロは最高位戦第31期の麻雀プロです。2012年、2013年と發王位を連覇。その他の最高位戦のタイトルでも決勝まで駒を進めるなど、実力はトップクラスです。
中嶋和正
獲得タイトル:發王位2期
中嶋和正プロは最高位戦33期の麻雀プロです。ネット麻雀をかなり打ち込んでおり、鳴きを駆使した麻雀を打ちます。
發王位は24期と27期を獲得。スリアロの人狼配信に出演するなど、趣味は人狼だそうです。
小池美穂
獲得タイトル:女流最高位1期、女流名人1期
小池美穂プロは最高位戦第29期の女流プロです。第13期女流最高位と第16期女流名人を獲得しており、最高位戦の女流プロで唯一の2冠達成者です。(2022年6月13日現在)
清水奈津子
獲得タイトル:女流名人2期
清水奈津子さんは本記事の中で唯一のアマチュアの方です。ですが女流名人を2期獲得されているため、ランキングに書かせていただきました。
獲得回数3回
古久根英孝
獲得タイトル:最高位3期
古久根さんは最高位戦日本プロ麻雀協会・RMUに所属いていた元麻雀プロの方です。
現在は居酒屋を経営されていますが、現役の時は「ノンラス打法」と呼ばれる安定感の取れた打ち方でトップクラスの成績を残しました。
水巻渉
獲得タイトル:發王位3期
水巻プロは最高位戦23期の麻雀プロです。1998年でプロ入りし、2001年には麻雀マスターズのタイトルを獲得。
その後、2008年に發王位を獲得すると2013、2014でも連覇を果たし、計3期の發王位を獲得しています。
その麻雀スタイルはひたすらオーソドックスな選択をミスせず打ち続けるというもの。麻雀の原点であり、最も難しい打ち方かもしれません。
麻雀遊戯王の「Mリーグチームを作ろう」の企画や多井隆晴プロの配信でも名前が挙がっており、同業者からもその麻雀力を認められています。
山口まや
獲得タイトル:女流最高位3期
山口まやプロは最高位戦第26期前期の麻雀プロです。プロに入会したのが2001年で同じ年にできた女流最高位戦のタイトルでいきなり決勝戦に進出し準優勝。
その後、2002年から2004年にかけて女流最高位を3連覇し、初の3連覇を成し遂げたプロとなりました。
また、2011年に女流プロとして初となる最高位戦Aリーグの昇級を決めるなど、女流プロの中では歴代最強ともいわれています。
大平亜季
獲得タイトル:女流最高位3期
大平亜季プロは最高位戦39期の麻雀プロです。麻雀を覚えたのが26歳と遅く、それから雀荘のメンバーとして働き始めました。
プロに入ったのは34歳の頃。かなり遅いプロ入りですが、プロ入会1年目に女流最高位を獲得。そのまま3連覇を成し遂げ、一気に最高位戦女流トッププロの仲間入りを果たしました。
西嶋千春
獲得タイトル:女流最高位3期
西嶋千春プロは最高位戦34期の麻雀プロです。西嶋プロは大学卒業後、就職先が見つからず、その結果雀荘で働き始めたとのこと。そこで働くうちに、バイトを続けるよりは、と考え麻雀プロになりました。
プロ入り後、しばらくは目立った活躍はありませんでしたが、2014年、2016年に女流最高位決定戦に出場。いずれも3位に終わりますが、ここから様々な大会で結果を残すようになります。
そして2017年に初の女流最高位を獲得。そこから2018、2019年と3連覇を達成しました。
獲得回数4回
金子正輝
獲得タイトル:最高位4期
金子正輝プロは最高位戦を代表する麻雀プロの一人です。最高位戦第6期に入会。
プロ入りの翌年からAリーグに昇級し、2020年まで38期連続でAリーグに在籍し、最高位決定戦にも通算で20回進出しています。
タイトルは最高位を4度獲得。他にも101競技連盟のタイトルやモンド名人戦なども獲得していますが、最高位戦のタイトルに限定するとこの位置となります。
2020年に病気により自団体のリーグ戦を欠場するなど、一時は進退が危ぶまれましたが2021年からネット麻雀などで活動再開。これからも麻雀プロとして活動できるよう祈っております。
近藤誠一
獲得タイトル:最高位4期
Mリーグ・セガサミーフェニックスに所属する「大魔神の系譜」はここにランクイン。最高位戦の最上のタイトルである最高位を4度にわたって獲得しています。
また、最強戦のタイトルも獲得しており「最高にして最強」とも。さらに珍しいのは最高位の初獲得が49歳と非常に遅咲きであること。
もうベテランの域に達していますが、これからのますますの活躍に期待です。
獲得数ランキングベスト3
第3位/獲得回数5回
根本佳織
獲得タイトル:女流最高位5期
第3位には根本佳織プロがランクイン。2001年に最高位戦第27期後期で入会。
2005年に初のタイトルとなる女流最高位を獲得すると、そこから2006、2007、2008、2009と驚異の5連覇を達成。
もちろんこれは現在でも破るもののない記録であり、5連覇の達成により「永世女流最高位」の称号を獲得しています。
また獲得タイトル5回は今回のランキングを見ていただいてもお分かりの通り、女流プロの中では最多の獲得回数です。
第2位/獲得回数7回
村上淳
獲得タイトル:最高位3期、最高位戦Classic2期、新輝戦2期
赤坂ドリブンズ所属のMリーガー・村上淳プロが第2位にランクイン。
村上プロは最高位戦第22期にプロ入り。プロ入り後、4年でAリーグに昇格するなど実力の高さはその頃から評価されていました。
なかなかタイトルには恵まれませんでしたが、2010年に日本プロ麻雀協会のタイトル・日本オープンを制すると、その年最高位と最高位戦Classicを同時に獲得し一気に三冠を達成。
その後はタイトルに恵まれ、最高位3度や近年できたタイトルである新輝戦も2度獲得するなど、麻雀界の中でもトップクラスのタイトル獲得数となっています。
Mリーグ2022-2023シーズンも赤坂ドリブンズの一員として戦うことが決定している村上プロ。Mリーグ内でも外でも活躍を期待しています。
第1位/獲得回数11回
飯田正人
獲得タイトル:最高位10期、最高位戦Classic1期
最高位戦のタイトル獲得数、1位は飯田正人プロとなりました。
飯田正人プロは最高位戦に第6期で入会。入会後しばらくはタイトルに手が届かなかったものの、プロ8年目となる1989年に最高位を獲得。
その後、最高位を1990、91、92年と4連覇を達成。これは最高位の歴史の中でもちろん唯一飯田プロだけが達成しています。
また、その後も最高位を戴冠し続け、最高位戦で最多となる通算10期を獲得するに至りました。これにより「永世最高位」の称号を獲得しています。
最高位戦の中だけでなく、外でも活躍を続けていましたが、2012年5月18日に大腸癌のため亡くなりました。
ですがこの偉大な実績に敬意を表し、最高位戦のタイトルである「最高位戦Classic」は「飯田正人杯」の名を冠されるようになりました。
まさしく最高位戦最高の麻雀プロだったといえるでしょう。
以上が最高位戦のタイトル獲得数ランキングでした。いかがでしたでしょうか。
私自身調べる中で様々な発見があり、特に飯田正人プロの最高位10期獲得には度肝を抜かれました。おそらく永久に抜かれることのない記録になるでしょう。
しかし、一方で2位の村上淳プロもタイトルを7個も獲得しており、いつかは飯田正人プロの11個の記録は抜くかもしれません。
そんな日を夢に見つつ、タイトル戦をこれからも注目していきましょう。
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*1:素点は関係なく順位だけで成績を競う、という思想の競技団体。トップ+1、2着3着±0、4着-1という101評価法を用いている。