チートイツ。
それは麻雀において非常に特殊な役です。麻雀というゲームは4メンツ1雀頭を揃えるゲームであるにもかかわらず、この役だけは牌を2個ずつ集めればOKというもともと、ルール自体から外れている役なのです。
ですが逆に言えば、特殊であるからこそ通常の進行ではどうにもならない場面で役立つということでもあります。本稿ではそんなチートイツについてその性質と狙い方を解説していきます。
目次
1.チートイツとは?
チートイツとは冒頭でも書きましたが、牌を1種類につき2個ずつ(=これがトイツと呼ばれます。)それを計7組集めればよいという役です。
詳細は以下のページのチートイツの項目を参照してください。
チートイツは役の性質上、必ずメンゼンで手を進める必要があります。
もともと2翻役であることに加えて、リーチや赤、ドラを絡めれば打点は十分です。加えて、単騎待ちのため相手も待ち牌が読みづらく、攻撃面で優れています。
また通常のメンツ手と違い、チートイツの場合は通常使いにくい1・9・字牌も手牌に組み込むことが多いため、防御力も高い役です。
こう見ていくと、チートイツはいいことばかりのように思えますが、当然デメリットもあります。チートイツの唯一といっていいデメリットはテンパイのしにくさです。
メンツ手の場合、テンパイに必要な牌は、例えばリャンメン2つのイーシャンテンなら4種類、MAX16枚です。手の内に暗刻があったりすれば、もっと多くの牌でテンパイを取ることができます。
一方でチートイツの場合、イーシャンテンからテンパイになるためには3種類の牌の単騎待ちを引いてこないといけないので、3種類、MAX9枚となり、メンツ手より圧倒的に少なくなります。逆に言うと、イーシャンテンでの3種の牌の選び方がチートイツの技術の見せ所です。
2.チートイツを狙う条件
・ 最低3組、基本は4組
7組のトイツを集めるからには、まず配牌の時点である程度トイツがないと狙うのは難しいです。まったくトイツがないところからでもチートイツになるケースもありますが、最低でも3組はトイツがあるところから狙った方がいいでしょう。
逆にトイツが4組以上ある場合は、常にチートイツを意識するようにしましょう。
・ドラのトイツ
チートイツは2翻あるとはいえ、それのみだとリーチ、チートイツで3200点です。
ですが、手の内にドラがある場合、チートイツならそれを確実に2枚使えるので打点は跳ね上がります。裏ドラまで考えれば、最高で倍満もあり得ます。ドラもトイツもあるときは積極的に狙ってみましょう。
・手がバラバラ
ただ、先ほどの項目で述べたようにドラが2枚あるとき、毎回チートイツを狙えばいいのかというと、そういうわけではありません。
やはりチートイツはテンパイまで持って行くのが大変です。鳴けないし、受け入れも狭いですから、タンヤオやピンフなどでアガれそうなら、素直にそちらを狙った方がいい結果になることが多いと思います。
逆に言えば、最初から普通のメンツ手には遠いような手で狙った方がいいです。
例えば上記のような手だと、リャンメンがなく、ホンイツなどで鳴いて役を狙うことも難しそうです。そういうときこそチートイツの狙いどきです。
3.どんな牌で待つ?
1.の項目でも述べましたように、チートイツはテンパイまでが大変です。ですから、できるだけテンパイしやすいように工夫が必要になります。本項目ではその工夫について解説していきます。
・ 基本は1・9・字牌
チートイツは鳴いて手を進められないので、山にある牌を引き当てていく必要があります。つまり、山に残っていそうな牌を手の内にできるだけ残すことがテンパイしやすくなるコツです。
山に残っていそうな牌を読むのは難しいですが、基本的には使いづらいはずなのにまだ川に捨てられていない牌は山に残っていると考えればよいです。1・9・字牌は間違いなく2~8牌より使いにくいですから、河に出ていない1・9・字牌を残していくのが基本的なセオリーです。
・ワンチャンスやノーチャンスを意識
先ほどの山に残っている牌を読むという話に関連しますが、使いにくい牌というのは何も1・9・字牌だけではありません。2~8牌であっても、例えばポンされた牌の隣などはもうリャンメンになりにくいので使いにくいです。
つまり、場に見えている牌の枚数を数えて、ノーチャンスやワンチャンスの牌を把握しましょう。これらは基本的には手牌で使いづらいので河に切られることが多いです。ですから、まだ河に出ていない分は山に残っていると考えられます。
・ドラで待つ
こちらはアガりやすさとは関係ありませんが、チートイツではドラ待ちも打点的に有効です。ですから、山に残っているかとは関係なくドラだけは簡単に切らないようにした方が良いでしょう。
特に1・9・字牌のような使いづらい牌がドラのときは、山に残っている可能性が比較的高くなり、かつ最後にドラの単騎待ちになった場合でもアガれる可能性がそこそこあるので積極的に残しましょう。
以上がチートイツの使い方になります。
中級者になるためには、攻守に優れたチートイツを使いこなせることが一つの条件といって過言ではありません。場を見極めて、うまく使いこなしましょう。
それでは。