Mリーグ2022-2023レギュラーシーズン、10月31日開催の第34試合出場者は以下の通り。
東家:松ヶ瀬隆弥(EX風林火山)
南家:鈴木優(U-NEXTパイレーツ)
西家:伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
北家:茅森早香(セガサミーフェニックス)
この対局、序盤は東2局に親番の優が2600オールをツモって少しリード。試合が大きく動いたのは東4局。松ヶ瀬の先制リーチに親の茅森がダブ東ドラドラ赤のマンガンテンパイ。さらに優も追っかけリーチと3者のめくり合い。
この最中、茅森はドラを暗刻にして最終的に9p単騎に待ち変え。これが松ヶ瀬から出て18000のアガり。茅森は次局も4100オールをツモアガり。こうなってしまうと大体茅森がトップというのが普通だろう。
しかしここからの松ヶ瀬が本当にスゴかった。南1局3本場、親番の松ヶ瀬は発単騎で先制リーチ。これに優が強気に追っかけリーチにいくと、この2軒リーチに安パイに困った茅森が発を打ち出し放銃。まずは12900のアガり。
続く南1局4本場、松ヶ瀬は赤5pポンから喰いタンの仕掛け。ここで技が出たのが2224sの形からの2sポン。2sポンでメンツを一つ完成させながらカン3sのターツを作りつつ、しかも松ヶ瀬が2sの4枚目を持っているとは考えにくいからカン3s待ちがかなり盲点になる。
これに回りながらテンパイにいった優が3sを打ち出して捕まってしまう。松ヶ瀬は13200のアガり。この仕掛けは鋭かった。
さらに南1局5本場、松ヶ瀬はドラの白を暗刻にしてダマでハネ満のテンパイ。しかもダマにしている間に高目三色のテンパイ形に変化。そこで高目を引いてくるのが松ヶ瀬の豪運なのか。なんとダマの8500オールツモで一気にトップ目に躍り出た。
松ヶ瀬は運が良い場面が多い印象があるが、これはある意味象徴的な場面になったかもしれない。マンガン→マンガン→倍満ツモで親の役満以上の得点を稼いでいる。もっともその豪運を活かすだけの腕前が松ヶ瀬に備わっていることは忘れてはいけない。
松ヶ瀬はこのリードを保ったままオーラスへ。松ヶ瀬にとって問題はこのオーラス。2着目の茅森が親番であり、3着目に落ちることがほぼない茅森が全力でトップをまくりに来る。
南4局、親の茅森は東ポンから仕掛け。ここはテンパイで流局しただけ。南4局1本場、優が3-6-9pで先制リーチ。ツモって裏1なら伊達をまくって3着浮上のリーチだ。
ここに当然茅森は押しまくる。中盤に6-9mで追っかけリーチだ。しかしこの2軒リーチにもかかわらず、2人共にアガりが出ない。優・茅森の最後のツモ番も終わり、この局は流局かと思われた。
しかしここで松ヶ瀬が茅森から出た1sを鳴いてハイテイを優に回すプレーを見せる。優がハイテイでツモってくれればトップで終了できるし、最悪茅森のアガりになってもそこまで悪くない状況でもう1局やれるという考えだ。
そしてこの「ハイテイずらし」ならぬ「ハイテイわたし」が見事に決まる。優はハイテイでツモアガって3100-6100。伊達をまくって3着目に浮上。松ヶ瀬は目論見通りトップで終了した。とばっちりを食らって4着に落ちた伊達はちょっとかわいそう。
とはいえ松ヶ瀬が繊細なる超巨砲の異名の通り、豪快なアガりと繊細な仕掛けでトップを獲得した。
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