萩原聖人。TEAM雷電所属のMリーガーだ。
俳優としての確固たるキャリアがありながら、麻雀番組にも出続け、ついにはMリーガーに選ばれ、麻雀プロとの2足のわらじを履くまでになった。
そんな萩原聖人のキャリアについて解説していく。
基本プロフィール
生年月日:1971年8月21日
出身地:神奈川県茅ヶ崎市
血液型:B型
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麻雀との出会い
最初の出会い
萩原が麻雀と出会ったのは中学2年生のとき。
もともと母と母方の祖母がよく麻雀を打つ人で、麻雀自体は知っていたが、萩原自身はあまり麻雀に良い印象を持っていなかった。
しかしよくトランプをしていた友人に勧められ、すぐにハマってしまった。ある意味では血筋だったのかもしれない。
萩原の祖母はかなり麻雀が強く、萩原は祖母に勝とうと麻雀によりのめり込んでいった。
俳優活動
中学校を卒業後に上京。定時制の高校に入学するが、1週間で中退。その後アメリカに訪れた際、ニューヨークで観た映画の観客の様子に感銘を受け、役者という仕事に興味を持つ。
萩原が俳優としてのキャリアをスタートさせたのは16歳の頃。ドラマ「あぶない刑事」に出演したのが初作品となった。
そこからアルバイトをしながらオーディションを受ける日々が続いていたが、1990年、19歳の時「はいすくーる落書き2」というドラマで松岡直次郎役を演じたことで一躍脚光を浴びるようになる。
以降、1993年に第6回日刊スポーツ映画大賞の新人賞を受賞したのを皮切りに複数の賞を受賞。1996年、1998年には2度の日本アカデミー賞 優秀助演男優賞も受賞している。
役者の仕事だけでなく、バラエティ番組への出演から歌手デビューなど様々なオファーが舞い込むように。
役者として芸能界に入った萩原は正直なところ戸惑いを感じていた。そこを支えてくれたのが所属事務所の社長だった。
役者として活躍する、という軸がブレずに来られたのは社長が自分自身の中にあるこだわりを気づかせてくれたからだという。
以降も現在まで様々なTVドラマ・映画などに出演。代表作には1994年、木村拓哉と同時主演したドラマ「若者のすべて」や、アカデミー賞につながった1993年の映画「学校」や1997年の「CURE」などがある。
また声優としても「賭博黙示録カイジ」「アカギ」に出演するなど、役者としての確固たる地位を築いている。
麻雀番組への出演
麻雀という場面でメディアと初めて関わったのは22歳のとき。週刊大衆が主催する「麻雀名人戦」に出場したのが最初だった。
そこでの麻雀が小島武夫や安藤満に見初められ、現在も放送されている「THEわれめDEポン」など対局番組への出演依頼が来るようになった。
ただ当時は麻雀に対してのイメージは相当悪いものだった。小汚い雀荘で中年のおじさん達が煙草を吹かしながらギャンブルをする、というような…。
Mリーグができた現在、ようやくそのイメージは払拭されつつあるが、それでもギャンブルのイメージで好ましくないと思う人はいる。昔であればその傾向はもっと強かっただろう。
麻雀が趣味だと公言するだけで、いわれのない中傷を受けることもあった。だが社長は番組出演も、打つときも俳優として格好良くあれ、と快く送り出してくれた。
そして今のスタイルである人に魅せる麻雀を打つようになり、「THEわれめDEポン」では最多の優勝回数である14回の優勝をするまでとなった。
また2004年には第5回モンド21杯でアマチュアとして初の優勝も成し遂げている。
そしてこの魅せる麻雀はMリーグからも認められ、2018年にMリーグ・TEAM雷電より1位指名を受ける。それに伴い、日本プロ麻雀連盟からプロデビューした。
Mリーグでの活躍
Mリーグ2018、萩原は21人中の13位とまずまずの成績。しかしチームはファイナルに進めず最下位に終わる。
Mリーグ2019以降は2019は29人中の27位、2020は30人中の30位、2021は32人中の31位とほとんど活躍できていないと言わざるを得ない。
チームは4年連続ファイナルへ進出できず。2022シーズン以降の巻き返しに期待したい。
個人成績
2018シーズン
レギュラーシーズン:-61.0
チーム成績
レギュラーシーズン:7位敗退
2019シーズン
レギュラーシーズン:-251.5
セミファイナル:-1.2
チーム成績
レギュラーシーズン:5位
セミファイナル:6位敗退
2020シーズン
レギュラーシーズン:-460.8
セミファイナル:-115.7
チーム成績
レギュラーシーズン:6位
セミファイナル:6位敗退
2021シーズン
レギュラーシーズン:-394.0
チーム成績
レギュラーシーズン:8位敗退
チームメイト
瀬戸熊直樹
連盟のトップタイトル「鳳凰位」を3期獲得、さらに十段位を3連覇。最高位戦のタイトルである發王位も1期獲得など、連盟のトッププロ。さらに2021年最強戦優勝の実績が加わった。
本田朋広
EX風林火山オーディションに参加しており、それは勝ち抜けなかったが、そこでの活躍などを評価され雷電に指名された。
日本プロ麻雀連盟の北陸支部に所属し活躍していたことから「地方の星」と呼ばれている。
黒沢咲
副露を極端に減らし、高打点のアガりを生み出す「セレブ打法」の使い手。最強プロの多井隆晴の天敵。
Mリーグで負け越し
萩原聖人といえば、現役のMリーガーであるだけでなく、本業の俳優業でも精力的に活動している二足のわらじを履いた男である。
プロ歴は短いが、テレビ対局などで多数の優勝を上げ、芸能人最強の名を欲しいままにしている。
そんな萩原プロであるが、Mリーグの舞台での戦績は芳しいとはいえない。
もちろん麻雀は運の要素の強いゲームであるから、ごく短いスパンで負け越すことは一流のトッププロであっても当然しばしばあり得る。
しかし4年連続マイナスの成績、2020シーズンは最下位となればMリーグに適応できていないといわれても仕方ないだろう。
勝てない理由の考察
では何故萩原聖人はMリーグで勝てないのか?私が原因として思うのは、「萩原の麻雀がMリーグルールにフィットした打ち方ではない」ということである。
萩原プロの麻雀というのは三色などの手役を積極的に狙い、高打点の美しい手を作ることに優れた麻雀である。
これは非常に華のある打ち方であり、視聴者に麻雀の面白さを伝える点において、当人のプロとしての在り方が見える。
しかし、Mリーグルールは近年アマチュアの間でよく打たれているルールを採用している。つまり赤あり、一発裏あり、喰いタンあり…というルールである。
特に赤ありの麻雀という部分が萩原の麻雀においては不利な部分であると考えている。
赤ありの麻雀というのは、ドラが7枚もあるルール。
ドラを2枚、3枚と引くことも珍しいことではなく、手役に頼らずとも簡単にマンガン級のアガりが出る。
他方でで萩原の麻雀の弱点は、手役を狙うことによるスピード不足である。Mリーグの牌譜を見ていると、時には牌理上非合理な打ち方をしてまで手役を狙いにいくことがある。
ドラの多いルールは勝手に打点ができるので、必然スピードが重要になってくる。この部分のかみ合いのなさが萩原プロがMリーグで勝てていない要因であろうと考える。
ただし、これは萩原プロが弱いということを意味しない。こういった手役を狙う麻雀は赤なし、裏なしといった、いわゆる競技麻雀においては打点を作るために有効な技術である。
しかし、Mリーグルールに対するフィッティングという点では上手くできていないといわざるを得ない。
実際のところ、萩原プロも長年麻雀を打ってきた一角の人物であり、もっとルールへ適合した打ち方もやろうと思えばできないはずはないと思う。
だが、萩原プロは自分の打ち方への信念を持った打ち手であり、それを曲げることがないというのが本人の麻雀から垣間見えている。
勝った負けたという結果を超えて、視聴者に対して面白い麻雀を見せようというプロの矜持に感服であろう。
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Mリーグ2021を戦っている32名のMリーガーについて、解説記事を書いている。興味のある方は是非こちらもご覧いただきたい。
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