Mリーグ2022-23レギュラーシーズン 10月25日・第28試合の出場選手は以下の通り。
東家:魚谷侑未(セガサミーフェニックス)
南家:勝又健志(EX風林火山)
西家:園田賢(赤坂ドリブンズ)
北家:松本吉弘(渋谷ABEMAS)
この対局もかなり見所が多かった。まず東1局2本場、園田はの出来メンツからをチーしてムリヤリ喰いタンに向かう選択。時たま見る仕掛けではあるが、園田の鳴きの引き出しが一つ見えた場面だ。結局、園田がこの局一番最初にテンパイ。アガりにはつながらなかったが副露の奥深さを味わった。
続いて東3局4本場、供託が3200点ある場面。勝又は5sポンから供託を狙って北バックの仕掛け。ここに園田からのペン7s待ちの親リーチが飛んでくる。
ここから勝又は北のトイツ落としでタンヤオに方向転換。ややもすると7sが勝又の手牌から飛び出るかもしれない局面だったが、粘っている中で勝又はなんと7sを暗刻に。
園田のアガり牌を握りつぶした上でカン4pのテンパイを入れて園田のリーチに勝負。これに競り勝って3200ロン+3000の収入を得た。
南2局1本場、トップを争う魚谷・1-4pと勝又・カン5mの2軒リーチ。これに困ったのが園田。オリに回って勝又に中スジの5mを打つかと思われたが、園田の選択は6m。魚谷には通っているが、勝又には無スジの牌。
打たれた瞬間は私には意味が分からない一打だった。しかし後で解説を聞くと、リーチ受けての親の勝又2m手出しを見て、246mからのカン5mに受けたのか、24mに5mを引いてきての3-6mか、という2つの可能性を比較し、カン5mの方が濃いと考えたとのこと。
この繊細な一打で放銃を回避すると、その間に勝又が4pを掴んで魚谷に放銃。園田のスーパープレーが飛び出した。
オーラス、松本が親番で一気に点数を稼ぎトップ目に躍り出る。魚谷は強気にトップを狙いにいったものの、松本に競り負けてラス目に。しかし、松本が素点を稼ぎまくった結果、勝又・園田・魚谷はほぼ並びの得点状況に。
南4局4本場、勝又・園田・魚谷はアガりさえすれば2着という状況。魚谷は2mポンから喰いタン、勝又は白ポンから仕掛け。勝又は6m8mターツを払おうとするが、6mを切ると魚谷に鳴かれてテンパイが入る局面。
ここで勝又は8m切りを選択。魚谷に鳴かれないというよりも、3mを切っている魚谷に6mの方がわずかに安全という面もあったのだろうが、この切り順で魚谷にテンパイが入らない。次巡、勝又は赤5mを引き6m出ない形。たった1巡の出来事で2人の速度が逆転してしまう。この一巡一打のわずかな差が麻雀の趣深さだ。
結果、魚谷にもテンパイは入るが、ここは勝又がアガりきり2着を獲得。終わってみれば松本の一人勝ちだったが、様々なプロの技が見られた素晴らしい対局だったと思う。
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