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「最速最強」多井隆晴は何故強いのか?

多井隆晴。渋谷ABEMAS所属のMリーガーだ。

麻雀プロとして最も有名だと言っていい男。
麻雀団体、RMUの代表を務め、Mリーガーとしてもチームのエースとして大活躍。

多忙な生活を送っているはずだが、その中でもYouTuberとしての活動を行うなど、麻雀を広報する活動にも余念が無い。

そんな多井隆晴はいかにして麻雀と出会い、どのようなプロ生活を送ってきたのか?
本記事では多井隆晴これまでに詳しく迫ってみよう。

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基本プロフィール

キャッチフレーズ :最速最強
生年月日:1972年3月17日
出身地:東京都葛飾区
血液型:B型
趣味:映画鑑賞、漫画、アニメ

▼その他Mリーガーのプロフィールはこちら▼

麻雀との出会い

多井が麻雀を始めたのは5歳の頃。始めて3日間でルールを全て覚えたといい、10歳になった頃には牌効率も習得していたという。これが本当なら凄まじい才能と言うほか無い。

高校時代にはすでに大人顔負けの腕前だった多井。高校卒業後は証券会社に就職。就職してからも麻雀は続けていた。

麻雀の腕に自信のあった多井は20歳の時にプロの試合を見学しに行った。

そこで刺激を受け、1995年、23歳の時に日本プロ麻雀連盟のプロテストを受験し、第12期生としてプロ入りした。

プロデビュー後の活躍

若手時代

しかし、多井は麻雀プロの現実を知ることになる。囲碁や将棋の世界ではスポンサーがついていて、対局をすることで対局料がもらえる。

だが、このときの麻雀プロというのは所属している団体にお金を払って打たせて貰うという立場で、麻雀を打っているだけでは無収入なのだ。

2年ほど証券会社で働きながらリーグ戦に参戦していた多井。プロ入り2年後の1997年には新人王を獲得。

バブル終焉以降の世の中の麻雀への意識変化を感じ取り、麻雀プロに対する認識が変わった。

それまでの時代では麻雀は実際にやらなければ面白いわけが無いと思われていた。しかし多井は、いずれ対局観戦を「見て」楽しめる時代が来ると考えていた。

その時代が来たときに麻雀界のトップに立つために麻雀の勉強に真剣に取り組もうと考え、入社8年目、26歳の時に証券会社を退社した。

退職後はアナウンス学校とボイストレーニングに通い、話し方の勉強も始めた。麻雀を打つ技能だけではなく、解説者としてのスキルも必要になると考えたのだ。

多井の解説やトーク力は努力によって研鑽されたものだ。今のしゃべりっぷりを見ていると才能もあるにはあっただろうが。

連盟の鳳凰リーグも順調に昇級し2003年に最上位のA1リーグ入り。
他のタイトル戦では準優勝が多く、「シルバーコレクター」と呼ばれた時期もあったが、2002年には日本オープン優勝、2005年には王位を獲得と着実に結果を残した。

連盟からの脱退、RMU設立

しかし2006年、A1リーガー、現役王位のまま、土田浩翔、 阿部孝則、河野高志らとともに日本プロ麻雀連盟を退会。

ただ多井本人は別段連盟を辞める気は無かったようだ。その点については下記の動画で語っている。


当時土田は連盟に所属しつつも、自身の競技団体として「日本麻雀機構*1」を運営し始めていた。

この団体は土田を中心に連盟を辞めたメンバーで運営されていくことになるが、多井は連盟に所属しながらこの団体の活動に参加する予定だったという。

ただ推測になるが、連盟を辞めた人間の立ち上げた団体に連盟員が所属して活動するというのが外聞としてよろしくなかったのだろう。

多井も連盟か日本麻雀機構の選択を迫られることとなり、結果的に連盟を辞めることとなった。

ただ、このとき退会した土田は現役の鳳凰位かつ十段位、阿部はマスターズと、連盟のトップが全員出て行ってしまったような格好だ。そのときの連盟の状態がうかがい知れる。

当時の連盟は他のプロ組織にあった方針等を決める総会がなく、金の使い方も不透明など、旧態依然とした組織だったようだ。

連盟の体質を表すものとして、ネットで一番よく見かけるのは堀内正人の連盟脱退に関する騒動だ。

堀内正人は元麻雀プロであり、現在はプロポーカープレイヤーとして活動。YouTubeチャンネルも運営している。

堀内の詳細についてはこちらも参照いただきたい。

堀内は連盟に所属していた頃は第27期十段位を取るなど、トッププロといえる活躍をしていた。

脱退の原因となったと考えられるのは、2013年の日本プロ麻雀連盟の第30期十段戦。
堀内が対局中にしたとされるため息と3sの強打が、三味線行為にあたるとされ、失格となった。

それに加えて、翌年4月には1年間の公式戦出場停止が決定。また元十段位の資格も剥奪された。その年の9月、堀内は連盟を退会した。

処分が下されるのはまだ分かるが、客観的に見るとその処分はあまりに重い。こういった事件を見ると、やはり疑いの目で見ざるを得ない。

そして2007年に今も多井が所属している団体である、RMU(リアル・マージャン・ユニット)が立ち上がった。


下記の動画で連盟を辞めたときのことについて話している。


本人も動画で語っているように、連盟を辞めてからしばらくは仕事も収入も減り、苦難の時代を生きることになる。しかし、多井は折れることなく努力を続けた。

そして2016年、予見していた時代が到来した。

無料のインターネットテレビ局「AbemaTV」がスタートし、麻雀チャンネルが開設。24時間無料で麻雀対局が見られるようになったのだ。

多井はそのときのメイン番組、RTDリーグ2016で優勝。そして2018年には藤田晋監督率いる渋谷ABEMASからドラフト1位指名を受け、Mリーガーとしての道を歩み始めることとなった。

Mリーガーになってからも2019年に第11期令昭位を獲得、2020年には念願だった最強位を獲得するなど、衰えるところを知らない。

Mリーガーの獲得タイトル数のランキングでも1位をマークし、最強の名にふさわしい活躍を見せている。

Mリーグでの活躍

1年目は個人スコア1位。2~4年目は6位とABEMASのエースとして文句のつけようがない活躍を続けている。

Mリーグ2021となった今期は、通算1000ポイントを全選手の中で最速の達成。

4年連続のプラス200ポイントも達成し、ABEMASというチームのエースどころかMリーグのエースともいえる存在だ。2021シーズンでは0.960で4着回避率のタイトルも獲得した。

ただチームは毎年ファイナルに進んでいるものの1年目は2位、それ以降はいずれの年も3位と未だ優勝はない。

特に2020シーズンはファイナルで最終5戦5連投。その上での負けだっただけに本人も相当悔しがっていた。

ちなみに多井の天敵は黒沢咲。黒沢咲は何故強いのか? - 天鳳6段t-yokoの麻雀ブログ

通常の読みが当てはまらないのと、とにかくフルスイングしてくる麻雀なので多井の読みや対人策がうまくいかないのかもしれない。

Mリーグの2018~2020の3シーズンで直対が-429.1ポイント負けている。

個人成績

2018シーズン

レギュラーシーズン:+476.3
ファイナル:-115.1

チーム成績

レギュラーシーズン:2位
ファイナル:3位

2019シーズン

レギュラーシーズン:+211.4
セミファイナル:-68.7
ファイナル:-5.1

チーム成績

レギュラーシーズン:2位
セミファイナル:3位
ファイナル:3位

2020シーズン

レギュラーシーズン:+234.4
セミファイナル:+88.9
ファイナル:-78.8

チーム成績

レギュラーシーズン:1位
セミファイナル:1位
ファイナル:3位

2021シーズン

レギュラーシーズン:+242.2 
セミファイナル:-148.9
ファイナル:-89.0

チーム成績

レギュラーシーズン:2位
セミファイナル:3位
ファイナル:3位

チームメイト

松本吉弘

Mリーガーの男子プロの中では最年少。麻雀界の未来を背負って立つ若手プロだ。

白鳥翔

麻雀の実力はトップクラス。2022年現在、35歳と麻雀プロの中では若手といっていい。副業で魔法少女をしていると発言する不思議系男子。

日向藍子

麻雀プロとしての活動だけでなく、MCや実況、「麻雀ウォッチ」でのYouTube活動も人気のプロ。

YouTuberとしての活動

麻雀プロの方の中でも、最も有名なのではないだろうか?
YouTubeチャンネルも持っていて、登録者10万人を超える人気チャンネルとなっている。


麻雀プロとしての活動だけではなく、RMUの代表としての活動など相当忙しいと思われるが、かなりの頻度で長時間の配信をしている。

麻雀だけでなく、本人の趣味でもあるゲームの配信も多いが、特に目立つのは配信の時間。10時間を超える配信も珍しくなく、個人的にはこの人の体はどうなっているのか?と思わないでもない。

また多井本人が「VTuber大好きおじさん」を公言しているだけあって、VTuberとの絡みが非常に多い。

チャンネル登録者数の多寡に関わらず、様々なVTuberとコラボしている。もっと麻雀を世の中に広げるための活動の一環と言うことで麻雀でコラボも多い。

またVTuber好きが高じて、雀魂公式番組でVTuberとの番組も持っている。こちらも見てみてはいかがだろうか。

他のMリーガーのYouTubeはこちら

多井隆晴以外にもMリーガーでYouTubeチャンネルを運営している方は数多くいる。

それらのチャンネルについて下記のページに一覧としてまとめているため、こちらを参考にしていただきたい。

多井の麻雀、雀風

ミスのない麻雀

麻雀の実績も、Mリーガーになる前から凄い。麻雀界の主要なタイトル大体取ってるんじゃないのか?というくらいタイトルを取っている。多すぎてここには書かないが。

タイトルをいっぱい取っている=強い、というのは単純に成り立つわけではないが、比例関係にあることは間違いない。ここまでタイトルを取っていれば実力には文句のつけようがない。

多井の雀風というと、圧倒的な守備力の高さと、丁寧な手順から生まれる攻撃力を兼ね備えたオールラウンダー、ということになるだろう。ただ、それだけならここまで麻雀界最強と呼ばれるほどの強さにはならなかっただろう。

では何故多井隆晴プロはここまで強いのか?
私の思う多井隆晴プロの強さは「ミスの少なさ」だ。

もちろん、他にも守備力の高さや読みの深さといったものも優れているとは思うのだが、それを上手く使いこなしているということが多井隆晴プロの一番の才能だと私は考えている。

以前、多井隆晴プロの著書である「麻雀無敗の手筋」を拝読させていただいた。

その際に目にとまった記述なのだが、多井隆晴プロは「自分自身の能力で10点満点の尖っているものはない、けれど全ての能力が9点になるよう努力してきた。突出した武器があるより、総合力の麻雀の方が強いと考えている」という趣旨の内容である。


実際、私は多井隆晴プロの麻雀には天才性は感じていない。
ここでいう「天才」というのは「常人には模倣が不可能な打ち方」のことを指して言葉を使っている。

この定義によって考えると、鈴木たろうプロや近藤誠一プロなどの麻雀の方が私は天才性を感じる。
2人に共通して言えるのは、常人には理解できない手順でアガりに向かい、それを実現してしまうところである。


私は多井隆晴プロは天才だとは思わない。多井隆晴プロの打ち方には全てに理由が感じられる。努力で人類の到達点に近づいているプロだと考えている。

多井隆晴プロは確かに優れた能力を持たないのかもしれない。しかし、高水準でまとまった自分の能力を異常なほどの精度で使いこなすことができる。これがミスの少なさに直結しているのであろうと考えている。

麻雀というゲームは誰もがミスをする。(麻雀に限らず、ゲームとはそういうものではあろうが)ただ、強くなればなるほどミスが減っていく。だからミスをしている人間に勝てる。

私自身、麻雀を打っていてよく感じることだ。自分が素晴らしい打ち方をして勝ったというよりは、相手がミスしているときにそれを上手くとがめられたから勝ったという試合の方がよほど多い。

ミスが少ないということは麻雀に勝つための究極的な能力だと私は考えている。
ここが多井の「最速最強」たる所以の一つだろう。

麻雀は対人ゲーム

多井の麻雀の強さについて、もう1点述べておきたいところがある。
それは麻雀という「対人ゲーム」に対する取り組み方だ。

多井は対人の研究がすさまじい。それはYouTubeの振り返りの牌譜検討を見ていてもよく分かる。


動画を見てもらえればよく分かるが、常人には不可能な精度で他者の手牌をズバズバと的中させている。

対局中の情報収集を欠かさず、それを対局外で研究・分析した情報と合わせることでここまで精度の高い読みが実現されている。

単純な牌理上のミスが少ないだけでなく、相手の研究も欠かさないのだから強いに決まっている。これも多井の強さの源泉だ。

多井隆晴と萩原聖人


動画の7:20あたりから萩原との関係について話している。

若い頃は萩原との間に確執があった。俳優業の傍ら麻雀をやっている萩原に対して、麻雀専業でやっている自分が負けられないという意識があった。

また麻雀のエンタメに関する考え方の違いもあった。

萩原に限らず、「魅せる麻雀」という言葉が麻雀界にはある。要するに競技的な効率を度外視した一打で麻雀ファンを引きつける麻雀ということだろうか。

もちろんこの打ち方は見ていて面白いし、決して否定される打ち方ではない。麻雀の楽しみ方は人それぞれでいいのだから。

しかし、この言葉は負けたときの言い訳に過ぎないのではないか?と多井は感じていた。プロである以上、勝つ麻雀を見せないといけないと考えていたのだ。

今は多井も麻雀のそういった側面を理解しているが、多井にも若い頃があったのだ。

多井隆晴と瀬戸熊直樹


チーム雷電に所属している瀬戸熊直樹プロ。

Mリーガー紹介!「卓上の暴君」瀬戸熊直樹 - 天鳳6段t-yokoの麻雀ブログ

多井と瀬戸熊はもともと日本プロ麻雀連盟という同じ団体で同世代で競い合ったライバルなのだ。

年もプロ歴も近いため、ライバルであると同時に親友のような関係。多井のイジリを躊躇なくできるのは瀬戸熊くらいのものだ。

Mリーグの解説などを見ていても、2人の間には軽口を叩けるくらいの信頼関係があるのがよく分かる。

2021最強位を瀬戸熊が獲得したときの多井の反応がこの動画だ。2人の関係の深さに思わず私ももらい泣きした。

書籍一覧

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無敗の手筋という名の通り、攻撃と言うよりも守備に関する内容の著書となる。
多井プロと言えば、「配牌オリ」など守備面の強さが際立っているプロだと私個人は認識している。

その多井プロが書いたこの著書。麻雀における守備を学びたい方にオススメ。

また、所々に挟まっている多井プロのコラムも面白く、多井プロのファンの方も一度読んでみることをオススメしたい。

より詳しい解説はこちらから。

私が読んだオススメの麻雀本5選+1!天鳳特上卓に上がりたい人はご一読を! - 天鳳6段t-yokoの麻雀ブログ

また、多井本人がYouTubeで補足となる動画をあげているのもこの本の素晴らしい点。
購入した暁には本を片手にぜひこの動画をチェックしよう。

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Mリーグの実戦譜を元に多井が局面ごとの「正解」を解説してくれる本。
局面ごとにかなり細かく解説されており、多井の思考が分かりやすくなっている。

多井本人も本書の冒頭で書いているが、麻雀は守備に回る局面が50%近くあるゲーム。

攻撃のことはもちろんだが、Mリーグでも屈指の守備力を持つ多井の「守備」に関する解説を特に読んでみてほしい。

こちらも「麻雀無敗の手筋」同様、多井本人がYouTubeで補足となる動画をあげている。本だけで勉強するよりかなり頭に入りやすいので、動画もぜひ見ていただきたい。

多井熱

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感想(1件)

多井隆晴の「生き様」を熱く描いた書籍。麻雀の戦術書ではないのでその点は注意が必要である。

麻雀プロの中でも人気実力共にトップクラスの多井。その多井がプロとして麻雀とどう向き合ってきたかを本書では語っている。

多井のファンはもちろんのこと、Mリーグなどの麻雀番組を見る方にとっても、より番組にのめり込めるようになる一冊だ。

その他エピソード

・「ばかんすリーグ」という私設のリーグで研究会を行っている。メンバーは同じMリーガーの石橋伸洋村上淳など。

・第1期(2011年)から第8期(2018年)までの天鳳名人戦に出場。最高順位は第8期の2位。

・MCを因幡はねるが務める「雀のから騒ぎ」にて、日向藍子への一言で「仲間ってそんなもんだろ」という名言が飛び出す。

神域Streamerリーグ

人気Vtuberである天開司が企画した、麻雀プロの監督と配信者のチームによるリーグ戦「神域Streamerリーグ」。

このリーグ戦の監督の1人に多井隆晴が選ばれている。麻雀ファン、VTuberファンはこちらのイベントもチェックだ。

他のMリーガーについての紹介はこちら!

Mリーグを戦っている32名のMリーガーについて、解説記事を書いている。Mリーグに興味のある方は是非こちらもご覧いただきたい。


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*1:麻雀の振興を主目的とした団体。2006年から活動していたが、2010年に主催していた土田の体調不良により活動休止。