Mリーグに参加できる主要5団体の一つである「最高位戦日本プロ麻雀協会」。(以下、最高位戦と呼称)
本記事では最高位戦について、発足の経緯や他団体との違いなどを解説していきます。麻雀界を深掘りしたい方はぜひ一度ご覧ください。
概要
代表
最高位戦の代表は新津潔。1956年1月28日生まれ、東京出身。1982年に最高位戦7期としてプロ入り。
1993年に第2期發王戦で優勝。1996年に最高位戦日本プロ麻雀協会代表へと就任し、2022年現在も代表を続けています。
発足の経緯
同団体の団体名の最初についている「最高位戦」。これは元々タイトル戦の名前でした。
1976年に竹書房発行の麻雀専門誌「近代麻雀」(今ある「近代麻雀」とは別の媒体です。)がちまたで名の売れている麻雀打ちを集めて、年間で行うリーグ戦を主催しました。
このリーグ戦が「最高位戦」というわけです。この時点では最高位戦に所属している人を麻雀プロとしていましたが、麻雀プロ団体としては成立していません。
1976年から1984年までは竹書房によって運営されていましたが、「近代麻雀」の編集方針の変更等の理由により、最高位戦の主催・運営を打ち切りました。
そのため1985年からは参加選手による自主運営という形で開催されるようになり、日本麻雀最高位戦という団体を創設しました。これが現在の組織の源流となっているわけです。
特徴
最高位戦は日本のプロ麻雀団体の祖というべき存在です。まず最高位戦が最初にでき、そこから袂を分かつ形で他のプロ団体も成立していきました。
ただし、日本プロ麻雀連盟は最高位戦日本プロ麻雀協会の前身である日本麻雀最高位戦より先に成立しているので、団体の活動としてはそちらの方が古いことになります。
最高位戦は麻雀が強いことがプロとして最も必要なことだという無骨な人が多いそうです。その結果、メディア露出などに力を入れたい人たちが独立して団体を作っていったという側面があるようです。
主なタイトル戦
最高位戦
1976年に創設された、団体の母体ともいえるタイトル戦です。昇降級ありのリーグ戦で、団体の最高のタイトル戦になります。
前年度最高位と、最上位であるAリーグの1位〜3位が最高位決定戦を行い、その期の最高位を決定します。
飯田正人杯・最高位戦Classic
2006年に創設されたタイトル戦です。第22期までの過去の最高位戦で使用されていた一発、裏なしのいわゆる「旧最高位戦ルール」(=Classicルール)を採用しています。
創設当初は自団体プロのみが参加できるタイトル戦でしたが、第3期以降は他団体のプロも出場できるようになりました。
發王戦
1992年に創設され、同団体で最高位戦の次に歴史の長いタイトルです。同じメンツで規定回数の半荘を打ち、上位2名が勝ち上がっていくシステムとなっています。
他団体のプロだけでなく、一般アマチュアにも参加資格があります。
新輝戦
2017年創設の団体内で最も新しいタイトル戦です。予選では赤ドラを使用する「赤ありルール」、本戦および決勝では「旧最高位戦ルール」(=Classicルール)、準決勝では現在の「最高位戦ルール」とステージごとにルールが変わるのが特徴です。
ちなみにタイトル戦の名前は、代表を務める「新津潔」の「新」と2021年3月まで副代表を務めていた、「金子正輝」の「輝」の2字をとって命名されました。
女流最高位戦
2001年創設された、団体所属女流のみが参加できるリーグ戦です。最高位戦と同時に出ることも可能です。
下位リーグでも優勝すれば挑戦者決定プレーオフに出場できるのが特徴で、理論上は入会から1期で女流最高位奪取ということも可能です。
女流名人戦
「月刊プロ麻雀」主催の大会として1984年に開始されたタイトル戦です。2010年より主催が最高位戦となりました。
プロ・アマ混合のオープンタイトル戦として開催されており、最高位戦と同じルールを採用しています。
公式ホームページ
公式Twitter
競技ルール
最高位戦ルール
主なタイトル戦で採用されているのが「最高位戦ルール」になります。
連盟や麻将連合のルールと違う点として、一発、裏ドラ、カンドラがあります。このため、多少は打点を作りやすく、リーチの価値が高くなります。
オカはなく、30000点持ちの30000点返し。ウマが1着から+30/+10/-10/-30となっています。
ウマのポイントが他の団体と比較して大きく、平均的に着順を上げることが重要になってきます。
途中流局はなし。パオや国士無双の暗槓アガり、数え役満といった役満に関するルールも採用されていません。
また、役満の複合によるダブル役満も認められていません。
最高位戦Classicルール
最高位戦のタイトル戦のうち、最高位戦Classicだけはルールが異なります。
最高位戦Classicでは旧最高位戦ルールを採用しており、一発、裏ドラ、カンドラがありません。喰い替えも自由にすることができます。
また、かなり特殊なのがノーテン罰符がなく、リーチ者もアガったとき以外は手牌を公開しなくてよいため、ノーテンリーチに制限がありません。
さらにテンパイでの連荘はできず、親がアガったときのみ連荘します。順位点は1着から+12/+4/-4/-12です。
全体を通して、他の競技麻雀でも見ることのないような珍しいルールであることは間違いありません。
このタイトルを制する者はルールへの適応が上手く、麻雀というゲームへの理解が深いといえるでしょう。
所属Mリーガー
渋谷ABEMAS
日向藍子
赤坂ドリブンズ
園田賢
村上淳
鈴木たろう
丸山奏子
U-NEXTパイレーツ
鈴木優
瑞原明奈
セガサミーフェニックス
近藤誠一
茅森早香
他団体の解説はこちら
Mリーグに所属可能なのは、麻雀プロの中でも5団体。それら5団体の解説ページを上記でまとめています。
他団体についての情報を知りたい方はこちらもぜひご覧ください。
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